小説の最初の2、3行目ってどうなってるの?持っている小説で検証してみました。

小説は出だしで読者をつかむ必要がある

今まで、アイデアや構成については触れてきましたが、表現の仕方(レトリック)については全く触れていませんでした。手始めに今手元にある小説(本)の出だしがどうなっているのか気になったので調べてみることにしました。

小説は最初の2、3行で読者をつかむ必要があるので、作者はかなり気を遣っていると思います。

ハリーポッターと賢者の石の最初の三行

まずは、ファンタジー小説といえば「ハリーポッターと賢者の石」。読んだことない人でも知らない人はいない押しも押されぬ超有名小説です。私はハードカバーで全シリーズ持っていますが、今アマゾンで検索すると文庫版とKindle版しか出てこないんですね(画像は文庫版)。

プリベット通り四番地の住人ダーズリー夫妻は、「おかげさまで、私どもはどこからみてもまともな人間です」というのが自慢だった。不思議とか神秘とかそんな非常識はまるっきり認めない人種で、摩訶不思議な出来事がかれらの周辺で起こるなんて、とうてい考えられなかった。

「まとも」のところは本では点がついてましたが、できなかったので太字にしました。魔法使いの話というのがある程度わかっている前提で、魔法について完全否定の登場人物が最初に出てくるギャップ。自分でまともなんていう人はまともじゃなさそうですし、このあとどう絡んでくるのか気になります。出だしではないですが、第1章タイトル「生き残った男の子」というのもベタですが、いいつかみになっていると思います。

坂の上の雲の最初の三行

次に、全く分野は違いますが、「坂の上の雲」。日露戦争を描いた司馬遼太郎の代表作。この作品を読んだあと、NHKでドラマにもなったので全部見ました。八巻もありますが、ボリュームを感じさせない面白さでかなり短期間で読めました。

まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている。
その列島の中の一つの島が四国であり、四国は、讃岐、阿波、土佐、伊予にわかれている、伊予の首邑は松山。

こちらは、ストレートにたった一行で舞台となる当時の日本を表現し、主人公たちのいる場所に焦点を向けます。シンプルですが、はっとさせられるというか当時の日本に意識が引き寄せられる感覚になります。

今後もこんな感じでもっている小説や、有名な小説の最初の2、3行を紹介していきたいと思います。

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