複式簿記の基本は等価交換とフローとストックの概念。大航海時代の世紀の発明

複式簿記のルールはシンプル

簿記は結構勉強する人も多い人気資格ですが、わからない人にはちょっと敬遠したくなるようなとっつきにくい印象を与えている気がします。簿記が複雑な気がするのは、現在の会計の考え方が発達したせいだと思います。いろいろな事象を複式簿記で表現しようとして、専門家でなければできないような難解な計算が必要になったりしています。しかし、本来の複式簿記のルールで押さえなければいけない基本ルールは大きく2つしかありません。

一つ目のルールは最重要原則「貸借一致の原則」

一つ目のルールは、借方(左側)と貸方(右側)の金額は一つの仕訳で必ず一致するという「貸借一致の原則」です。最も重要なルールで、このルールが守られる限り、何万回、何百万回仕訳を積みあげていっても右側と左側の金額の合計は一致します。

この原則に例外はなく、両側の金額にズレが生じているのであれば必ず何か間違った仕訳をしています。この考え方は、物理学の質量保存の法則や等価交換に似ていると思います。

何かを失うとき、必ず何かを得ているし、何かを得たとき必ず何かを失っているという考え方です。簿記に精通している人はおそらく誰でも「相手勘定」について考えずにはいられないと思います。「洋服を買った」というとき、お金を失うと同時に等価の服を手に入れています。現金のマイナスの相手勘定が被服費のような費用になります。もしくは物品(洋服)という資産という処理でも間違いではないと思います。

二つ目のルールはフローとストックの概念

手に入れたものには二種類の属性があります。手元に残るものと、残らないものです。飲み会があり、楽しい時間やおいしい食べ物、飲み物と引き換えにお金を払ったとき、手に入れたものは残りません。一方で、家を建てれば、お金を払う代わりに土地と建物が手に入ります。

この、手元に残らないものをフロー、残るものをストックと言います。フローは記録を行う期間の最初、ゼロからスタートし、期間が終わった時点でゼロにリセットされます。ストックは、最初から手元にある金額からスタートし、期間が終わった後、次の期間に金額が引き継がれます。

この二種類の属性に分けて勘定科目を把握する必要があります。それぞれの属性に分けて、ストック項目を集めたものを貸借対照表、フロー項目を集めたものを損益計算書と言います。

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