よりリアルな表現のために必要なもの。経験、観察、語彙力

リアルな表現の方が物語に入り込みやすい

文章で状況を説明するときに、自分が一度も経験していないことを表現するのはとても難しく、なんとなく嘘っぽい表現になってしまったり、粗い表現になってしまいます。表現しようとすることを全て一度経験することはできませんが、できることなら実際に一度やってみて状況を観察するのは大事なことだと思います。表現しようとする状況そのものを経験することはできなくても、近い状況を経験することで、よりリアルな表現に近づくことができるかもしれません。

酷暑で汗が出る状況を表現

酷暑で汗が出るときに、滝のように汗が流れるという表現がありますが、実際には毛穴から汗の玉が少しづつ大きくなってきて、数分後に玉の形状を保つことができなくなり、流れ落ちます。突然滝のような汗がダラダラ出るわけではありません。

実際に酷暑の時にも汗が出る状況を経験できますが、今日は出張中でサウナがあるビジネスホテルに泊まっているため、先ほどサウナに入ってきました。そこで、汗が出るまでの状況を観察していたので、例として挙げてみました。

突然「滝のような汗が流れだした」と表現するよりも、「徐々に体の表面に汗の玉が現れ始める」としたほうが、じりじりとした暑さを表現できている気がします。

真冬に冷たい水に落ちてしまった状況を表現

高校の時、水泳部に所属していて、毎年1月に寒中水泳がありました。最高気温が10度以下の日にプールに入ると、なぜかわかりませんが息を吸うことも吐くこともできません。呼吸をするためには叫ぶ必要があります。叫ぶことによって強引に息を吐きその反動で息を吸う感じです。また、20分ぐらい泳いで上がった後、たき火にあたっても全く暖かくありません。痛いだけです。

珍しい経験ですが、冷たい水に落ちた時の表現としてはリアルな表現ができると思います。リアルな経験ができなくても、その経験をした人から話を聞くことによってリアルな表現が可能になります。

リアルな表現があらゆる場面でいいわけではない

例えばトムとジェリーをリアルに表現したらトムの手足は毎回切断されていますし、ジェリーは毎回圧死しています。あえて漫画的な表現の方がいい場合もあります。また、いくら経験しても経験したことを客観的に観察できなければ意味がないですし、観察できてもそれを表現する語彙がなければ表現できません。

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