面白い物語に含まれる不利が有利になるギミック
以前一通りよんだ小説家になろうの盾の勇者の成り上がりという物語では、剣の勇者や弓の勇者、槍の勇者という特定の武器に特化した勇者がいる中で、主人公は盾の勇者という攻撃がほとんどできない勇者として現実世界からゲームのような世界に召還されたという物語でした。
盾の勇者というフレーズに惹かれて読み始めましたが、盾の勇者は攻撃力がほとんどないがために、仲間の協力が必要であり、徐々に仲間が増えていき、チームとして動くことで、他の勇者より優位になっていくという展開になっていました。
一見すると、ものすごく不利な状況に見えることが、環境によっては有利に働くという物語上の仕掛けはいろいろなところに見受けられます。
例えば、以前記事にもした黒子のバスケも、目立たないという一見すると不利な状況が相手を撹乱し、主人公の強みとして生かされています。
不利が有利になる局面での瞬間的な上昇幅が気持ちよさを生む
面白い物語には、読者が気持ちよさを感じることが必要ですが、気持ちよさにはマイナスからプラス、下から上への状況変化が必要であり、その変化の幅とスピード、納得できるものかという部分が重要になってきます。
一見不利な状況が、あることをきっかけに有利に働くという展開は、子の状況変化を瞬間的に大幅に変化させるため、上手く物語に組み込むことによってかなりの気持ちよさを生むことができます。
また、もともとが不利な状況であったがゆえに、他者が模倣することも難しく、有利になった時の優位性は計り知れません。トランプの大富豪で圧倒的最下位のときに革命が起こったような状況です。
有利な状況に転じるのに主人公・味方側の努力があるとさらに気持ちよい
弱虫ペダルやはじめの一歩では、お金がなかったり家の手伝いをしたりするなかで、自然と体が鍛えられる環境が存在しており、一見すると弱そうな主人公が実はとんでもない訓練を積んでいたというような展開がありました。
逆境にめげず淡々と努力したけっか、あることをきっかけに花開き一気に状況を打開するという展開も読者の気持ちをマイナスからプラスに引き上げることができます。