ゲームの中にある物語。クエストの連鎖とラスボスの討伐

テレビゲームに物語が生まれた頃

ファミコンが始めて発売された当初は、ゲームというとインベーダーゲームのようなものや、アクションゲーム、ひたすら敵を撃って倒すシューティングゲームなどボタンをタイミングよく押すことが重視されるゲームが主流でした。

1秒間に何回ボタンが押せるかなんてことを競い合っている時期もありました。家庭用テレビゲームの中に物語が生まれ始めるのは、ポートピア連続殺人事件のような推理アドベンチャーゲーム、そして30年以上にわたる歴史を刻むことになったドラゴンクエストファイナルファンタジーに代表されるRPG、ファイアーエムブレムのようなシミュレーションゲームにRPGの要素を組み込んだシミュレーションRPGでした。

これらのゲームはファミコン時代の非常にデータ容量が少ないなかで作られたゲームですが、確固たる物語がゲームの中にあり、シリーズとして今につながる原点になっています。

小説・映画・漫画との違い

ゲームは小説等の他の媒体と大きく違う点があります。ゲームは読んだり観たりするだけではなく、見ている側も何かアクションを起こす必要があります。

そのため、大抵のゲームはクエストといわれる課題・障害をクリアする必要があり、最初は小さく簡単なものをクリアしていき、徐々に規模が大きく世界への影響も大きくなっていきます。クエストが一つのエピソードになっており、クエストを一つクリアするごとに一つのエピソードが終わり、物語が一歩先に進むイメージです。クエストの連鎖という意味では漫画に近く、とはいえゲームが始まった時点で終わりはすでに決まっている点では小説に似ています。また、映像や音楽が重要な役割を担っている点は映画と共通しています。

原作があるゲームがなかなか面白くならない理由

ドラゴンクエストやファイアーエムブレムが小説や漫画、アニメになったり、ファイナルファンタジーが映画になったり、ゲームから他の媒体に展開するケースは比較的上手くいきやすい印象ですが、逆に、小説や漫画等で人気が出たものがゲーム化する場合は駄作になる確率がかなり高い気がします。

例えば銀河英雄伝説はPC版のゲームは面白いと思いましたが、ファミコン版のゲームはいわゆるクソゲーでした。これは、ゲームの物語というのはクエストをクリアしていくごとに徐々に全貌が明らかになっていく点が面白いポイントになりますが、元ネタがある場合、いわゆるネタバレした状態からゲームを始めることになり、どうしてもやらされている感が出てきてしまいます。

勝つか負けるかわからないスポーツ物の元ネタであればまだかろうじて面白くなるゲームがありそうですが、ファンタジーのような物語ではなかなか面白くするのは難しいと思います。

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