ヒーローズ。能力系物語の面白いところ。難しいところ。

ヒーローズシーズン3を視聴中

dTVでヒーローズが8月14日まで公開されているので視聴中です。今シーズン3の10話目ぐらいです。ヒーローズは超能力を持った人たちが世界を救うというのが大筋の話です。

ワンピースやジョジョの奇妙な冒険、テラフォーマーズといった、ある共通のルールに沿って様々な能力を持ったキャラクターが互いに交錯しつつ話が進んでいくタイプの物語を、私の中で能力系物語と読んでいます。

大抵の場合、能力を持ったもの同士の戦いが話の中心になります。

ヒーローズのような能力系物語の面白さ

能力系物語は、RPGのスキルや魔法に近いものがあり、RPG的な面白さがあります。ヒーローズはアメリカのドラマにもかかわらず、日本人(役者さんは日本人ではありませんが)のヒーローが活躍するところも面白いです。日本人という設定なのに日本人が聞いていると片言の日本語なのもちょっと面白いです。

能力者の戦いが面白いのは、それぞれの能力に相性があり、強い能力の持ち主も状況によっては弱い能力の持ち主に負けたりするという意外性です。ヒーローズではありませんが、ワンピースではゴム人間というとても強そうには見えない能力者のルフィが強力な敵を打ち負かしていくのが爽快です。特に、最強の部類と思われた電撃の能力を持った敵がゴム人間だと全く効かないという展開は電撃が出てきた瞬間、先が読めましたが面白かったです。

ヒーローズでも、日本人のヒーローであるヒロは、タイムトラベラーという時空間を自由に移動でき、時間を止めることもできる最強クラスの能力の持ち主で、制作者の日本びいきに驚きます。失敗も過去に戻ればやり直せるので、これを超える能力はなかなかないと思います。

ただ、ヒーローズの主人公のピーターは他人の能力をコピーできるため、ヒロの能力もコピーしています。あらゆる能力をコピーできるという能力は反則レベルの強さです。

ヒーローズのような能力系物語の難しさ

このように、「僕が考えた最強の能力」的な小学生が考える絶対無敵な能力みたいな能力をバンバン出していったら、迫力があって面白い気がしますが、あまりに強い能力を物語りに出すと、「主人公が窮地に陥らない」という問題が生じます。

物語というのは何か困難に遭遇し、それを乗り越える過程が面白いわけですが、能力が強ければ困難を難なく突破できてしまい、面白くなくなります。

そこで、能力が状況に応じて制限される必要が生じます。タイムトラベラーのヒロは、ちょっと抜けているところがあり、それをしっかりものの相棒のアンドウがサポートしていますが、ヒロ自体が抜けているためタイムトラベラーなんだからなんとでもできるという場面でなんともしないといった展開になったりします。

このように、その人の性格による制限、いわゆる脳みそ縛りみたいなものによる物語上の制限を掛けて、強い能力を使えば解決してしまう場面で使わせないというのも一つの手法です。強い能力を持つキャラクターは往々にして同じくらい極端な弱点を持たされたりします。

また、能力を一時的に封印することによって、困難に陥れるという手法もよく使われます。シーズン3では、主人公のピーターが悪役の父親からすべての能力を吸い取られ(父親の能力はこのように人の能力を吸い取る能力)、ただの人になります。

また、皆既日食中は全員能力が使えなくなるなどの自然現象等による制限もあります。今ちょうどドラマの中で皆既日食中で、それが終わったら能力が戻るのかはわかりませんが、このまま戻らないとシーズン5まであるヒーローズが成立するはずがない思うので、何らかのきっかけで回復するのでしょう。

能力系物語は安定したワクワク感がある

今までのところ、もう10年近く前に見たシーズン1を超える面白さはありませんが、いろんな能力者が現れて、命を賭けて戦う様子は安定したワクワク感があります。各キャラクターの個性も表現しやすくキャラ立ちをさせやすいというのもこのような能力系物語の描きやすいところだと思います。

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