情けは人のためならず。痛感する2つの事件

情けは人のためならず

情けは人のためならずということわざがあります。

「情けは人の為だけではなく、いずれ巡り巡って自分に恩恵が返ってくるのだから、誰にでも親切にせよ」という意味である。

(Wikipediaより引用)

これは逆の見方をすれば、「情け容赦ない態度はいずれ巡り巡って自分の仇となるのだから、誰にでも情けをかけよ」とも言えます。誤用で「情けは人を甘やかすから情けをかけるな」という意味と勘違いしている人も多いようですが、本来の意味は、「情けをかけることは自分のためでもある」という意味です。

このことわざを痛感した事件が最近二つありました。

豊田議員の暴言事件

詳しい話は、まとめサイト等を見ていただければわかるかと思いますが、知らない人はいないぐらいのニュースになっている事件です。

正直なところ、こういった高圧的な態度に出る上司は世の中には結構いるんじゃないかと思います。もしかしたら、秘書の方も「あー、それは怒られても仕方ない」と思われるようなことを本当にしたのかもしれません。

だからといって相手を罵倒していいはずがない、相手にも人としての尊厳があるとか、そういう話もありますが、「情けは人のためならず」自分を守るためにも罵倒するべきではなかったと思います。相手がICレコーダーで録音していたら、それを一般に公開されたら、そこまで頭が回らなかった時点で豊田議員の負けでした。そんなこと思いつくわけがないと思うぐらい相手を舐めていたのかもしれません。

これも、相手を成長させるために思いやりをもって叱るというのであれば、話は全く変わってきます。音声を聞く限りでは完全にそんな意図はなく、ストレス発散のようです。

母親が生後4ヶ月の乳児を踏みつけて殺害した事件

実の母親がまだ寝返りも打てない赤ちゃんを殺害した事件ですが、ニュースを見る限り、夫婦の年齢差が26歳と親子ぐらい離れています。

まとめサイトを見ていると、コメントで「旦那さんが子育てに協力してくれなくてストレスで」とか、「旦那さんに強く言えないから腹いせで」とか、旦那さんに問題があるという推測が散見されましたが、それでは子供を踏み殺す動機にはなりません。仮に、子供を踏み殺す動機になるとするなら、子供が苦しんでも自分は痛くもかゆくもない、旦那さんは悲しむというケースになります。この、「自分は痛くもかゆくもない」という点で完全に異常です。

私の勝手な想像ですが、旦那さんは娘ほど歳が離れた奥さんのことを相当甘やかしていたのではないかと思います。ところが赤ちゃんが生まれたことにより、奥さんに向けられていた愛情は娘に向けられ、奥さんは今まで一番のお姫様扱いをされていたのに、赤ちゃんの世話係に格下げさせられたように感じたのではないでしょうか。

これ、兄弟同士だと上の子が下の子に嫉妬して意地悪するケースは結構あると思います。ただ、子供同士なので下の子が死んでしまうほど大事になるケースはほとんどないと思います。このケースでは、大の大人が赤ちゃんに嫉妬して力の加減もわからず赤ちゃんを踏み殺してしまったという恐ろしい事件なのではないかと思っています。

この事件も、自分の得だけを考えず、赤ちゃんに情けをかけてあげていれば逮捕され、家庭が崩壊し、ちやほやされる生活が二度と戻ってこなくなるなんてことはなかったでしょう。娘が大きくなって「お母さん育ててくれてありがとう」と感謝してくれていたかもしれません。すべては、「情けは人のためならず」ということがわからず、情けをかけることができなかった自分が自分を(そして家族全員を)不幸にしたという事件です。

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