ファイナルファンタジータクティクスに見る意外性の要素

物語の最初から始まる意外性

ファイナルファンタジータクティクスの物語を追っているところですが、この物語はそもそも「真実と思われていたことが実は真実ではなかった」という意外性からスタートします。

この世界でのキリスト教のような扱いのグレバドス教を国教とするイヴァリースという国では、グレバドス教に都合の悪い事実は隠蔽され、都合のよいように改変されています。

あたかも正義の権化であるかのようなグレバドス教が実は悪役で、英雄とされた人物は決して清廉潔白ではなく、本当に世界のために戦った人物は歴史に名を残すことがなかったという、現実にもありそうな話しです。

最も目立った人物の裏には無数の偉業を支えた人がいる

実際に、社会に出て働いていると常々感じますが、組織のトップがやれることというのは極僅かで、実際にはトップが決めた方針に沿ってそれを実現するために無数の人間が動いています。

あたかも、その人物が成し遂げたかのように言われているようなことも、実は部下が提案したことを承認しただけという可能性も多々あると思います。そして、その提案した部下も一人でやったわけではなく、さらにその部下が具体的な道筋を見出し、試行錯誤を繰り返し、実現に向けて一歩一歩地道な努力を重ねたのかもしれません。

英雄ディリータと主人公ラムザは別に上司と部下の関係ではありませんが、ラムザが実質的に救った世界をディリータの功績として称えられたという点で共通しています。

物語の前提を提示し実はそれが真実ではなかったとする手法

オヴェリア王女が、実は王女の替え玉だったと明かされるシーンがあり、物語の冒頭から王女として紹介されていたプレイヤーは非常に驚きます。

実際には、王女ではないといっているヴォルマルフという騎士がデタラメを吹き込んで王女を混乱させようとしている可能性も十分にあり、本当のところはどうなのかわかりませんが、これもまた意外性を出す手法の一つです。

物語の背景や前提を誰かに語らせたり、説明したりするのは物語の作者で、それが実は語らせた人物が勘違いしているだけだった等、後で事実では無かったと引っくり返す事で物語に惹きつけるというものです。

3つの勢力の争いに翻弄され利用する者達の物語

この物語は、二人の公爵の覇権争いにグレバドス教が絡み、三つ巴の国を左右する政争が行われている渦中に、翻弄されながら世界を救おうとした主人公と、その混乱を利用しようとした英雄の複雑な物語であり、今なおゲームプレイ動画等でも取り上げられるほど印象に残るものになっています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です