聖アジョラの神話
ゲルモニーク聖典を手に取りページをめくるラムザ。ゲルモニーク聖典自体は読めないものの、シモンが注釈を書いており、注釈を読む事で内容が判別できるようです。
ゲルモニークとは、師である聖アジョラを裏切り、神聖ユードラ帝国に売り渡した裏切りの使徒と言われています。
ゲルモニーク聖典に書かれているのは、一人の人間としての聖アジョラの活動の記録でした。
ラムザの時代には聖アジョラは神の御子であると信じられており、人間ではないと考えられていました。伝説では聖アジョラはルザリアのベルベニアに生まれ、すぐに立ち上がって災いを予言し、井戸を封印するように言ったそうです。井戸水を飲んだ人は黒死病になり次々に死にました。以後、聖アジョラは奇跡の子といわれ、崇められたそうです。
聖アジョラは救世主となり、神の一員として二十歳で亡くなりました。
聖アジョラの時代にイヴァリースの覇権を狙うランベリーの王が魔神を召喚しました。聖アジョラは聖石を集めてゾディアックブレイブを結成し、魔神を倒したとのことです。英雄となった聖アジョラの台頭を恐れた神聖ユードラ帝国のファラ教徒は挙兵し、聖アジョラを捕らえてゴルゴラルダ処刑場で処刑しました。
このとき、捕らえるのに協力したのが十三番目の使徒ゲルモニークでした。
処刑の直後、聖アジョラに敵対したファラ教の本拠地ミュロンドは天変地異で海中に没しました。
ここまでが聖アジョラに関する神話です。
真相を語るゲルモニーク聖典
しかし、ゲルモニーク聖典に書かれていた聖アジョラは、神の御子などではなく、野望を抱き、己が夢の実現のために戦った革命家でした。
聖アジョラは平和を愛し、他人のために命を賭して戦うような勇者ではありませんでした。
聖アジョラは新興宗教の教祖であり、同時に帝国と敵対する国家のスパイでした。そしてゲルモニークはスパイの証拠をつかむため帝国が送り込んだスパイでした。
ゲルモニーク聖典によれば、聖アジョラがゾディアックブレイブを結成しようとして聖石を数個発見していたこと、また聖アジョラの死と同時期にミュロンドを天変地異が襲い海中に没したことは事実であるようです。
シモンは注釈とは別に、ゲルモニーク聖典について、教会が世に出ることを恐れていることから、内容が真実であるとメモを残しています。シモンがこの書を世に公表しなかったのは、公表する事で書庫を取り上げられることを恐れてのことでした。
シモンは教会がアジョラを神格化するためにありもしない魔神をゾディアックブレイブが退治したという伝説を作り出したと考えていますが、ラムザは聖石の邪悪な力を目にしているため、何者かの思惑を感じています。
ラムザとディリータとオヴェリア
貿易都市ドーターでラムザはアルマをさらった一味で異国の風貌を持つ魔道士に行く手を阻まれます。妹を帰して欲しければゲルモニーク聖典を持ってリオファネス城へ来いとのことです。
ゼルテニア城の教会跡では、ディリータが女王となったオヴェリアと話をしています。オヴェリアは自分が本当のオヴェリアではないことに生きる価値を見出せなくなっています。
ディリータはオヴェリアと自分を同じだといい、利用される人間だといいます。しかし、利用する人間に回り利用してきた人間を利用するといいます。
そして、オヴェリアにオヴェリアのために王国を築くことを誓います。