ファイナルファンタジータクティクスの物語を短くまとめると
ファイナルファンタジータクティクスを全25パートでまとめて久しぶりに物語を思い出しました。
この物語は、ラムザと言う主人公が歴史の裏で暗躍した悪魔と戦い、世界を救ったにもかかわらず、教会が闇の部分を暴かれたくなかったがために、ラムザを異端者扱いし、歴史から抹殺したという物語でした。
数百年後、発見されたデュライ白書により真相が明らかになり、デュライ白書の作者の末裔であるブレイブストーリーの著者が真相を広く世に知らしめたのでした。
このブレイブストーリーを紐解く形で物語は語られていました。
後世の人間が語る形の物語
物語の形式として、後世の人間が語る形の場合、物語の結末が最初に決まっています。逆にいうと、結末を最初に伝えたい場合にとられる手法です。
何故その結末に至ったのか、その謎を紐解く形で物語を進めることによって、受け手に一定に制約を課しつつ想像する楽しさを与えます。
この物語のテーマ
この物語が問いかけているのは、「人は何のために生きるのか?」という話です。
ラムザは歴史上異端者として扱われ、世間から全く評価されることはありませんでしたが、世界を救い、自らの信じる道を進み、無事生還し、おそらく妹と共に幸せに暮らしました。
一方で英雄となったディリータは、目的を達成するために人を裏切り利用した結果、愛したオヴェリアから裏切られ、孤独になります。物語を通して、ディリータは決して極悪人というわけではなさそうでした。平民であるがゆえに妹を見殺しにされたことをきっかけに、自らを偽りのし上がった感じです。
この物語の独自性
この物語は、善玉も悪玉も、それぞれの信じる正しい道を歩んでいます。信じる正しい道が、目的を達成するために手段を選ばない方が悪玉で、手段を選ぶほうが善玉です。悪玉は聖石に取り込まれルカヴィになり、善玉は聖石の力により死を免れるなど、聖石は人の心を反映する装置として機能しています。
この当時、例えば真・女神転生でラスボスがキリスト教やイスラム教の唯一神であったり、このFFTでもキリスト教をモデルとしていると思われるグレバドス教の教祖アジョラ(キリストがモデルと思われます)がラスボスになるなど、なぜか宗教を悪役に据えることが流行っていたように思います。
最近はそんなことしたらヘイトスピーチだ何だと大騒ぎになると思います。今でも女神転生シリーズは続いていますが、今は唯一神をラスボスに据えるなんて事はやっていないと思います。