自分との戦いか相手との戦いか
スポーツでは、マラソンや登山のような時間の経過に応じて少しづつ前に進み、進む事で目的が達成されるスポーツと、サッカーや野球、バスケットのように均衡した勢力同士が同一ルール下で戦うことで勝敗を競うものがあります。
マラソンもより早い人が勝つので一応相手と戦うのですが、自分がどれだけがんばれるかにかかっており、相手に邪魔されたりは基本的にしません。
ゲームにも似たような部分があり、今流行っているスプラトゥーンのようなFPSタイプのゲームではオンラインで複数対複数で戦うことが非常に面白いゲームですが、一人で黙々とやるRPGはまた別の面白さがあります。
物語における成長の面白さ
この話は、物語における成長の面白さに共通しています。女性向けの物語は基本的に人と人との関係性を重視している気がしますが、男性向けの物語はこのような成長してより強くなることをテーマにした物語が多くなっていると思います。
成長して強大な敵を撃破することをテーマにしている物語の場合、着実に力を蓄え、地道な努力を重ねて強くなるRPGのようなパートと、強い敵と力の限りを尽くして戦う対戦ゲームのようなパートがあります。ただ、RPGも中ボスやラスボスとの戦いが控えていることで地道にレベルを上げるような作業が必要になるので、成長をテーマにする場合はやはり強大な敵との戦い(不可能と思えるような障害を乗り越えるイベント)が必須となっています。
「成長する」ことは見ていてワクワクします。例えば町が発展していくシムシティや、文明が成長して高度になっていくシヴィライゼーション、レベルが上がって新たな技やスキルを覚えていくドラクエやファイナルファンタジーに代表されるRPG。今までできなかったことができるようになる、ふと振り返ると最初の頃とは見違える姿になる、そういった描写が物語をワクワクさせてくれます。
そして、強くなった力を使って障害を乗り越えたり、敵と戦ったりすることで、より成長したことを実感できます。
この時、敵が余りにあっさりやられてしまうと物足りなさを感じてしまいます。そこで、今まで全く歯が立たなかったのが対等に戦えるようになりかろうじて勝つといったギリギリの戦いの描写が必要になってきます。
この辺りも、RPGのゲームバランスのようなさじ加減が必要になっていると思います。