努力の方向性が間違っていることで覚醒する物語

みにくいアヒルの子状態の主人公

成長をテーマにする物語にも、どういう成長の仕方をするのかによって色々なパターンがあります。その中でも、ほとんど成長していないどころか、むしろ悪化しているように見える状態から、一気に覚醒するパターンの成長があります。

その場合、主人公は周りの足を引っ張っているようにしか見えず、本人は一生懸命努力しているものの、努力が全て裏目に出て、挽回するためにさらに無駄な努力(にみえる)を繰り返すという悪循環に陥っている状態に置かれます。

主人公の努力は、悪循環により深く陥るにつ入れて尋常じゃないものになって行きます。

あることをきっかけに覚醒

主人公は、自らが悪い状況に陥るために努力しているように見えますが、あるちょっとしたことがきっかけになり一気に方向性がかみ合います。

そうなると、今までの努力の成果が正しい方向に現れ始め、それまで悪い方向に向かえば向かうほど尋常じゃない努力を重ねていた分が一気にプラスに転じることになります。

その様子は、まさに覚醒です。マイナスの符号がいきなり消えてプラスに転じるような印象になるので、マイナスから0、0からプラスと実に倍の効果が生じます。

使う局面が難しい

物語の面白さがギャップにあるとすれば、この落差はすさまじく、まさに物語の重要なポイントで上手く使う事ができれば非常に効果的です。

ところが、主人公の立ち位置が突然一気に変わってしまうため、物語のバランスが崩壊してしまう恐れもあります。

そのため、先のことを考えて覚醒した主人公が敵を蹂躙するというパワーゲームになってしまわずに、新たな障害を設定する事で物語の面白さを持続させる必要があります。

覚醒後の障害としては、力が強すぎて何度も使えないとか、使いすぎるとコントロールできなくなって暴走するとか、色々と制約をつけるというパターン、覚醒したがゆえに、今まで舐めていた敵が本気になってものすごく強くなるというパターン、底辺から脱却したかと思ったら世の中には上があり更なる上の世界を目指すことができるようになる井の中の蛙パターン等々があります。

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