ザ・ゴール、ドラゴン桜、別の目的を持つ物語

物語の面白さだけが目的ではない物語

私が傾倒しているザ・ゴールの制約理論は、ザ・ゴールと言う小説によって学びました。小説というのは本来はその物語がいかに魅力的で面白いかというのが唯一の目的になりますが、このように知識やノウハウを伝えるために物語の面白さを利用すると言うパターンも希にあります。

物語を知識を伝えるために使うメリットデメリット

物語を通して伝えたい知識やノウハウを伝えると言うのは、一見すると効果的に見えます。実際、ザ・ゴールは非常に面白く、制約理論の概要を理解し、具体的に適用方法をイメージするのにとても役に立ちます。

一方デメリットとして、物語はあくまで一例のみしか紹介できず、網羅的・体系的に知識やノウハウを学ぶことができません。ザ・ゴールでは、その本質を理解させようと登場人物に語らせる場面が多々ありました。そういった場面を自然に展開するのはかなり高度な表現力が必要で、どうしても説明調になってしまいます。

知識を伝える物語が少ない理由

教科書や参考書のようなもので勉強するよりも、面白い物語を読み進めていったらいつの間にか知識が身についていたと言ったほうが勉強する側も楽しいと思いますが、なかなかそんな物語に出会うことはありません。

知識を学ぶ大前提として、物語自体が面白い必要があります。つまり、その知識やノウハウに精通した人が、面白い物語を構築する力も必要と言うことです。両方を備えた人がそもそもあまりいないため、物語形式で知識を伝えるのは難しいでしょう。

また、何か問題が生じ、それを解決するための知識やノウハウでなければ物語にするのは難しいというのがあります。ザ・ゴールでは工場の再生、ドラゴン桜では東大合格という一見不可能とおもえる難題にチャレンジする事で面白い物語になっています。

これが、簿記とかプログラミングのような暗記も必要な部分があり、それそのものが問題を解決するわけではない知識だと、物語にするのは非常に難しくなります。簿記やプログラミングを使って問題を解決する物語は作れそうですが、読み終わったら簿記2級が取れるようになるとか、プログラムが組めるようになる物語と言うのを作るのは至難の業です。

 

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