不浄であるから悪とは限らない蛆虫の浄化能力

蛆虫と青虫のイメージ

芋虫系の虫は全般的に気持ちが悪いイメージがあるものの、蛆虫と青虫だとどちらのほうがマイナスイメージがあるかというと間違いなく蛆虫の方だと思います。

はらぺこあおむしという絵本にあるように、青虫のイメージは新鮮なキャベツや葉っぱを食べる虫として、蛆虫に比べてかわいいイメージがあります。また、最終的には綺麗な蝶に変わる虫であるため、蛆虫に比べてきれいなイメージがあります。

蛆虫は、ハエの幼虫でもあり、腐乱した死体に沸いたりするため、不浄なものとしてのイメージが強いです。腐敗したゾンビからわき出る蛆虫の気持ち悪さはホラー要素として効果的な描写です。

蛆虫にかわいいとか善玉的なイメージを持っている人はほとんどいないと思います。とにかく汚い、不浄な場所に住み着く気持ち悪い見た目の生き物です。

不浄なものを浄化しているという視点

青虫も蛆虫も実は共通しており、青虫が食べている葉は実は弱った葉です。まだ完全に腐敗する前、一見元気な葉であったとしても前倒しで弱りはじめた葉を食べています。本当に元気がいい野菜はなかなか虫に食われないことからもわかると思います。

一方で、蛆虫は完全に腐敗してからしか食べません。蛆虫は細胞レベルで腐敗したものと腐敗していないものを見分けて腐敗しているものだけを食べているそうです。

腐敗したところに現れる蛆虫が実は腐敗箇所を食べることによって浄化しているというのは、まるでナウシカにでてくる腐海が実は世界を浄化しているという設定のようです。

この腐敗した箇所だけ食べると言う性質を利用し、数千年前から医療に使われてきたそうで、壊死した部分を蛆虫に食べさせ元気な組織にまで腐敗が広がることを防ぐ医療行為をマゴットセラピーというそうです。

蛆虫は、腐敗した組織を食べるだけでなく殺菌作用がある分泌液を出し、まさに浄化していきます。

物語の中でも使える設定

ナウシカの腐海もそうですが、一般的に悪だと思われていたり、忌み嫌われているものが実は善玉だったり、人々を守っていたりする存在だったという設定は物語でも意外性やズレを生む設定として有効です。

 

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