健康診断の待ち時間に読んだもう一つの漫画
前回の記事でも健康診断の待ち時間に読んだ漫画の話を描きましたが、いろいろな場所を移動させられ、その場その場にマンガが置いてあるため、もう1冊別の漫画を読んでいました。
待ち時間といっても1冊も読めないぐらいの時間でしたが、読んだマンガはDr.NOGUCHIというマンガです。タイトルからも想像できると思いますが、野口英世の伝記ものマンガです。
私が読んだのは野口英世が小学生の頃から中学生になるまでぐらいの話でした。昔の話なので中学生とは言わなかったと思いますが、うろ覚えなので便宜的に中学生としておきます。
苦境に次ぐ苦境
この話、最初からとにかく貧しいです。父親は会津藩士だったらしく、明治に入り新政府が出来た後の時代のため、徳川幕府に味方した旧会津藩士は酷い差別を受けていたようです。
やさぐれて酒とギャンブルにお金を全部使ってしまい、家計は火の車どころか完全にアウトでどんどん田畑を借金の形に取り上げられていきます。
そんな中、清作(のちの野口英世)を何とか学校にやろうと更なる借金をして服を買ったり学費を払ったりする母親。
もう悲惨すぎて目も当てられませんが、何度もくじけそうになりながら教師を目指して勉学に励む清作の姿は結構心にくるものがあります。
自分の人生を振り返って考える
この逆境に耐え、何度もくじけそうになりながら夢に向かってがんばるというのは、自分が今どういう境遇にいるかでも受け取り方が違うと思います。
私は、比較的恵まれた人生だと思いますが、それでもというか、それだけに本当に真剣にがんばれているのか、日々の生活に流されてしまっているのではないかとこの漫画を読みながら考えてしまいました。
誰しもそうなのかもしれませんが、出来れば楽で不安のない生活をしたいという願望と、苦しんで障害を乗り越えて人の役に立ってこそ生きている意味があるという思いが交錯して生きていると思います。
仕事がつらくても一生懸命働いている人は、「お金さえあればすぐにでも仕事を辞めて」とよく妄想すると思いますが、本当に宝くじか何かで急にお金に困らなくなり、仕事をやめて何もしなくていい生活になったとき、社会との接点もなくなり、誰からも必要とされなくなる生活に本当に幸福感を感じて生きていけるのでしょうか。
やはり清作のように苦しくても夢に向かって、人の役に立つためにがんばって生きるほうが、最後に人生を振り返った時に幸せだったと思えるのではないか、とマンガとは全く関係ないところで考えさせられました。