デジタルデビルならぬデジタルレイバー。シンギュラリティの少し前。

コンピューターの中で働くロボット達

今では、アトラスのゲームとして有名になった女神転生シリーズですが、当初は「デジタルデビルストーリー」というサブタイトルがついた小説でした。悪魔は魔法陣を使って召喚するのがセオリーですが、昔は魔法陣を正確に作ることができずに悪魔に付け入る隙を与えてしまい失敗するというエピソードも多々ありました。

ところが、コンピュータの出現により、コンピュータ内で簡単に正確な魔法陣を作ることができるようになり悪魔を召喚するプログラムを開発した主人公が悪魔を駆使して戦うというのが、もともとの女神転生の小説版の話でした。

コンピュータ内で悪魔を召喚するというのはSFファンタジーの小説の中だけの話ですが、現在、デジタルデビルならぬデジタルレイバーというコンピュータ内でデータ入力作業等を担当してくれるプログラムが話題になっています。

RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)というデジタルレイバーを利用したホワイトカラー業務の自動化の試みが進められていますが、ゆくゆくはこの自動化にAIが加わり、人間とコミュニケーションをとりながら作業するコンピュータ内のロボットが出現すると思われます。

ちなみに、このAIが人間の知能を超える時点をシンギュラリティ・ポイントというそうです。デジタルレイバーが活躍するのはこのシンギュラリティ・ポイントを超えるか超えないかといった時期になるのではないでしょうか。

ロボットを操る能力がホワイトカラー業務の明暗を分ける

少し先の未来になると、このある程度コミュニケーションをとることが可能なデジタルレイバーを操ることができる人と旧来からの手作業でしか事務処理を行えない人の格差が大きく開き始めるのではないでしょうか。

デジタルレイバーはコピーすれば何体でも作成可能で、24時間休まず同じ集中力で作業してくれます。覚えた仕事は何年たっても忘れることはありませんし、急に退職してノウハウが失われることもありません。この結果、単純作業でかかる時間を大幅に短縮してくれます。

近未来の物語のアイデアとして、このデジタルレイバーを自在に操り、問題を解決するという世界観が普通に現れることになると思います。

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