会計士的視点で見る国の借金問題

すでに暴かれ始めている「国の借金」問題

西暦2000年頃、国の借金問題はほぼ全ての人が信じている話で、借金時計というのが出てきたのもこの頃です。それから、20年程度経過し、いわゆる国の借金は増え続けているにもかかわらず、まだ財政破綻していません。

財政破綻について、「今にも財政破綻する」と言い続ければ、いつまでも引き伸ばせます。例えば、100年後に本当に財政破綻したとして、「ほら、やっぱり財政破綻した!」ということすら可能です。

財政危機宣言というのが1995年に当時の大蔵大臣から発表されましたが、財政危機というのは、すぐ目の前に財政破綻が迫っているというニュアンスだと思います。20年先になっても、国債金利が下手したらマイナスになるほど高値で国債が取引されている日本で、財政破綻の兆しはいまだ見えません。

まるで蕎麦屋の出前のように「もう破綻する!」と言い続けて20年経っているわけです。そろそろ、おかしいと思い始めてもおかしくないというか遅すぎます。

相手勘定という視点

通常、借金したという事実だけ聞くと、非常にマイナスのイメージですが、会計士であれば例外なく借金した際の仕訳が頭に思い浮かびます。

現金預金 XXX / 借入金 XXX

国は、国債を発行した時キャッシュを手に入れているわけですが、そのキャッシュは国内の金融機関から手に入れています。

また、それを何らかの目的で使った場合、会計士であれば、例外なくそのときの仕訳を思い浮かべます。

XX費(もしくは固定資産) XXX/ 現金預金 XXX

ここから先は、会計士であっても人によると思いますが、その使った現金預金の相手先はどのような仕訳になっているでしょうか。

現金預金 XXX / 売上 XXX

この相手先が、国内の企業であった場合、結局国内で現金預金が移動し、新たな収益が生まれたことになります。「国」とは、この国内企業も含めた一体としての経済になるはずです。

確かに、国は国債としての借入を行いました、借金をしています。しかし、そのお金は国内で調達され、国内をめぐります。国全体で見ると借金と同時に資産が増えています。現実には、国内の金融機関からお金を借りているため、国内金融機関の貸付金が増え、キャッシュが減り、政府のキャッシュが増え、借入金が増えています。これは、グループ企業の親会社が子会社から借入を行い、その資金を使って、子会社に仕事を発注しているようなイメージです。

連結決算を行うとそれらは全て相殺されます。連結決算上は、親会社の借入金は0になり、子会社の貸付金は0になります。

同じことが国の借金でも言えます。これが詭弁ではないというのは、現に国債金利が世界的に見ても最低水準にあり、とても破綻するような状況でないことからも明らかだと思います。

現在、この考え方は徐々に広まりつつあり、国の借金というフレーズが裸の王様状態になりつつあります。マスコミではいまだに国の借金というフレーズで危機感を煽っていますが、この話を信じる人は徐々に少なくなっています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です