物語に整合性はそれほど必要ない
キン肉マンについて記事にした際にも触れたとおり、物語の整合性というのは、あったらいい程度の重要度で、ある程度適当な理屈付けであったとしても、それっぽければそれなりに物語として成立します。
これは、はるか昔の物語の代表である神話の世界を見ていてもわかります。神話の世界はどの神話であっても矛盾だらけで、整合性はあまり取れていませんが魅力的な世界観を構築しています。
神話の世界が整合性が取れていないのは、そもそも神話の物語は、複数の人間によって創作され、引き継がれ、その当時情報を互いに共有することも困難だったと思われますので、整合性が取られることなく物語が広がっていたのだと思われます。
超科学や魔法は非常に便利な根拠
SFやファンタジーが物語として非常に魅力的で、ゲームや小説、映画等様々な分野でたくさんの物語があるのは、物語の整合性をあまり考えなくてもいいというのも一つの要素だと思います。
何か現実離れした不思議な力であったり、都合のいい状況であったり、そういった設定について「なぜ?」という質問に対して、「そういう技術があるから」だとか、「魔法だから」だとかで、説明を終わらせることができるのがSFやファンタジーの世界だったりします。
物語によっては、魔法の細かい仕組みであるとか、超科学の科学的な根拠であるとか、より詳細な設定を細かく作りこんでいくことで、よりリアリティを出している物語もあります。
確かにリアリティを出すために、そのような詳細な作りこみをしていくのも一つの手かと思いますが、あくまであったらいい程度の要素であり、物語そのものの面白さの方が優先されます。
長編になるほど物語内の整合性がズレやすくなる
背景や設定上の整合性はある程度適当でも問題ないですが、長編の物語になってくると、物語の中で最初の頃はこういう設定だったはずなのに、途中から変わってしまったといったことは受け手のほうで気になり始めます。
キン肉マンを読んでいてもやはりそういう部分は気になりました。あそこまで開き直った感じであればもういいかなと思ってしまいますが、通常の物語だと明らかに前に言っていたことと違っていたりすると受け手が緻密な性格だとすぐに違和感を感じてしまいます。
典型的な例では、ガンダムシリーズのような物語の中に歴史が生まれているほど長い物語になってくると当初のモビルスーツの開発と後期の物語で出てきているモビルスーツの開発時期がズレていたり、その時代にこのモビルスーツは量産されていたのかなど、ファンも多くなり緻密な検証がされ始め、整合性が問われだします。
そこで、物語が面白ければズレているからといってファンが離れることはないと思いますが、やはり整合が取れていたほうがリアリティがあり、受け手もスッキリします。