苦しいから楽しい?幸せと苦しさの不思議な関係

もし宝くじで10億円が当たったら

我々が働きたくないのに働かざるを得ないという状況にあるとき、それは大抵お金の問題です。仕事を辞めてしまったら収入が無くなり、生活を維持できなくなります。

お金さえあれば会社なんかすぐに辞めて好きなことをして暮らすのにと考えたことが一度も無い人はよほど恵まれた天職にめぐり合った幸運な人だと思います。

もし、宝くじで10億円が当たり、急に自由になることが許されたとき、会社を辞めて何をするでしょうか。旅行に行ったり、おいしいものを食べに行ったり、映画を見たり、本を読んだり、まずはやりたいと思っていたことをやると思います。

しかし、お金を使ってやることはそのうち飽きてしまう気がします。仕事をしなければ人間関係は広がりません。ストレスも無いでしょうが、つらい思いを分かち合う同僚も、自分の仕事に感謝してくれるお客さんも、協力して困難を乗り越えるチームも無縁の世界で、ただひたすら消費し続ける存在として最後に死を迎えたとき、果たして充実した善い人生だったと思って死ぬことができるでしょうか。

自分が本当にやりたいことは苦しくて楽しいこと?

リアルにただ消費し続ける人生について想像すると、それはやはりあまり楽しそうではありません。本当に楽しそうにしている人について考えた時、私は中小企業診断士の更新研修によく講師として登場する中小企業の社長さんを思い出します。

中小企業の社長さんはあまり儲かっているように見えない社長さんですら非常に明るくて楽しそうにしています。もちろん倒産寸前で必死の形相で働いている中小企業の社長さんもたくさんいらっしゃると思いますが、私が見かける中小企業の社長さんは総じて心から楽しそうに見えます。

これは、自分がやりたいことを自分で考えて自分で決めて、全て自分の責任で行動しているからなのではないかと思います。

とはいえ、中小企業は経営体力も大企業に比べて少なく、かなりリスクを負っていると思います。日々資金繰りに悩み苦しい局面も多々あると思います。とある中小企業の社長さんが「苦しい時ほど燃える。先が見えてくると別に自分がやらなくてもいいなと思ってつまらなくなる」と言っていました。まさに楽しさと苦しさが表裏一体の関係にあるということだと思います。

 

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