大人気ドラマ「陸王」の最終回
大人気で最終回も拡大版となった陸王ですが、話の流れは下町ロケットのような小さな企業が大きな企業と戦い、様々な障害を乗り越えつつ、最後には大きな成功を収めるという定番の流れの物語でした。
最終回では、陸王の靴底部分を製造する機械を直すためにフェリックスというスポーツ用品の企業が3億円融資してくれますが、条件として5年以内の返済を提示します。
陸王をなんとしても成功させなければとても返せる金額でも期間でもないのですが、陸王を履いて走ってくれていた茂木とはサポート契約が無くなっており、陸王が作れたとしても売れる保証は全くありません。
ところが、履いてくれるはずのなかった茂木は、陸王のメーカーのこはぜ屋と自分を重ねあわせ、自分が挫折した時に離れていった人と同じになりたくないという理由からサポート契約に違反してでも陸王を履いて1年前にゴール直前で倒れた同じフルマラソンの大会に出場し、見事トップでゴールします。
陸王はバカ売れし、めでたしめでたしという最後でした。
他のランナーにドリンクを渡していいの?
そのマラソンの大会の最中、茂木のライバルの毛塚が給水用のドリンクを取るのに失敗し絶体絶命になったときに、茂木が自分のドリンクを走りながら手渡すというシーンがありました。
こんなこと競技中にしてもいいのか疑問でしたが、調べてみると現実にもこのようなケースはあるようで、ルール違反にはならないようです。
給水に失敗した毛塚を助けるというシーンは、茂木のフェアな精神をアピールすると同時に、毛塚に言い訳できない万全の体制を整えさせるという物語上の演出かと思います。
ちなみに、私も先日練習で42.2km走ってみたのですが、30km以降に給水せずに走るのは自殺行為だと思います。深く考えずに何も飲まずに走ろうとしたら脱水症状で倒れそうになりました。公園の水のみ場やコンビニで飲み物を買って事なきを得ましたが、本気で命にかかわると思います。
物語のテーマは誠実さとあきらめない心
物語の中心テーマはあきらめずに努力を続けることで、道は開けるということと、例え相手が不義理をしたり、こちらを陥れようとしてきてもフェアな精神で正々堂々戦う事でその姿に胸を打たれて味方が増えるという部分だと思います。
現実にはそんなに上手くいくものではないでしょうし、実際こはぜ屋の失敗したケースのような中小企業がドラマの中でもちょこちょこ出てきます。
ただ、本当の意味での成功と言うのは、誠実にあきらめずに物事を進めた先にしかありえないというのは真実だと思います。