見えているものを真似するのではなく、なぜそうなるかを考える

結果を真似しようとしても上手くいかない

結果だけを真似しようとして失敗する例はたくさんありますが、例えばマラソンの練習をしていて、速い選手の見た目だけ真似をしようとしても速く走れません。

速い選手は膝が高く上がり、地面を蹴ってかかとがおしりに着くぐらい高く跳ね上がっているように見えます。その見た目だけを真似して、膝を高く上げてかかともおしりに着けるように足をまげて走ろうとするとものすごく疲れます。とても走れたものではありません。

速い選手というのは、素人が走るよりもはるかに高速で走っています。その結果、素人よりもかなり前のほうに足が来ないと、着地の時に足が重心の真下に来ません。大事なことは、着地の時に重心の真下に足が来るということであって、膝が上がっているかどうかは関係ありません。

そして、かかとが跳ね上がるのは急いで足を地面に着地させようと膝を前に出した結果、膝から下の力が抜けているため、自然にかかとが跳ね上がってしまうというだけで、わざとかかとを跳ね上げているわけではありません。

本当に大事なことは、骨盤の振り子運動の力を起点にして走るということであり、足先のことはそこまで気にする必要が無いということです。このことに気が付くためには、いくら見た目を真似しようと思っても無理で、そもそも走るとはどういうことなのかというところまで立ち戻って考える必要があります。

トライアンドエラーと粘り強い考察が唯一の道

真実にたどり着くためには、実体験を通した試行錯誤と、理屈に間違いはないか常に疑ってかかる粘り強い思考力だけが頼りになります。そういった考察を誰かがやってくれていて、きちんと筋道立てて説明している書籍や情報源があればそれは非常に有用だと思いますが、その場合でも自分でちゃんと試してみて、本当にそうなのかを確かめることは重要になります。

とにかく、人から手に入れた情報だけでわかった気になるのは危険で、やってみて本当にそうなるのかどうかを検証し、上手くいけばOKですが、上手くいかなかった場合に理解が間違っているのかそもそもの考え方が間違っているのかを検証するということができれば独自の理論のようなものにたどり着けると思います。

結論はシンプル

こうして考察を重ねていくと結論は比較的シンプルなものに落ち着くことが多いと思います。蓋を空けてみれば「そりゃそうだよな」と思える結論になるのが普通です。マラソンの話に限らず、「国債発行し続けると日本が財政破綻する」とか、「ITを導入すると効率化する」とか、一見それっぽいけど結果がいったとおりになっていない場合にはそもそも最初の考え方が間違えているのではないかというところを見つめなおす必要があるのではないでしょうか。

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