完全オリジナルのファンタジー世界と現実世界ベースの物語そのメリットとデメリット

完全オリジナルのファンタジー世界「十二国記」

十二国記というファンタジー小説があります。現実世界の高校生が異世界に飛ばされるという展開はありがちですが、飛ばされた先の異世界が、ゲームの世界のようなところではなく、完全オリジナルのルールに基づいて統制される不思議な世界観が魅力の小説です。

作者も、あとがきか何かで書いていましたが、「完全にオリジナルな世界を作れば、時代考証とか現実との兼ね合いを考えなくていいと思い完全オリジナルな世界を作ったが、意外と大変だった」という、完全オリジナルで作ることによるいい点と悪い点があるようです。

現実世界ベースで物語を作る難しさ

現実世界を基にした中世ファンタジー小説や近未来SF小説などを作ろうとした場合、「その時代にこの武器はおかしい」とか、「その当時はこの道具をそんなふうに呼んでいなかった」とか、時代との整合性が求められます。

この点も、実は適当だったとしても物語のアイデアが面白ければあまり関係なくなりますが、現実ベースならではの矛盾が生じる可能性があります。

この点、全くオリジナル世界である「異世界」であれば特に気にする必要もなくなります。

完全オリジナル世界ベースで物語を作る難しさ

完全オリジナルの世界で物語を作れば、現実の世界との整合については全く考える必要がなくなる反面、その世界の設定について一から全て自分で考えて作り上げていく必要があります。

現実世界がベースであれば、現実世界でこうなっているからというのを丸ごと使うことができますが、完全オリジナルの場合は、現実の世界がこうだからといって、その異世界で同じとは限らないという話が多々あるため、いちいち考えないといけません。

現実世界ベースと完全オリジナルベースの利点は互いの難しさの裏返し

現実世界ベースは、現実世界の史実はその時代のリアルな生活習慣が実際に流用できるため、かなりリアリティを出すのが容易になります。一方で、全て完全オリジナルの世界は、現実世界との矛盾を気にする必要がなく、こういう世界だからということで、済ませることができます。

どちらが簡単なのかは一概には言えませんが、昨今の異世界物がたくさんある状況を見るに、完全オリジナルの方が作者のこだわり次第の部分があり、特にこだわらなければ簡単なのかもしれません。

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