北欧神話に見る物語の本質。面白ければつじつまは関係ない?

神話はファンタジーの原点

昔から神話が好きで、子供の頃はいろいろな神話や星座にまつわる本を読んでいました。

神話はファンタジーの原点だと思います。中でも北欧神話は神々が決して完璧な存在ではない点が非常に魅力的で、ワルキューレが天界に亡くなった勇敢な戦士を連れて行き、最終戦争に備えるという設定もゲームっぽくて楽しいです。

実際、北欧神話を題材にしたゲームは、ヴァルキリープロファイルシリーズや女神転生の仲魔など、いろいろなところに見受けられます。名前だけ借りてきているものについてはさらにたくさんあると思います。

神話の最初は世界の始まり

神話は大抵の場合世界の誕生から始まりますが、北欧神話では原初の巨人が誕生し、巨人の死をきっかけに世界が生まれています。巨人の死をベースにしている神話は北欧神話に限りませんが、この考え方は、地球が一つの生命体であるという直感が古代の人々の間にはあったのではないかと思います。

今でもガイア理論というものがありますが、今よりもはるかに自然と密接に生活し、獣を狩り、木の実や果物を採取して生きていた古代の人々は、自然に生かされているというのをダイレクトに感じていたのだと思います。

神話の世界に触れて感じるのは、はるか昔の物語というのは、つじつまが合っていないということです。北欧神話の世界では原初の巨人と言いつつ原初の巨人の前から炎の巨人がいたりします。

物語で最も重要な部分はアイデア。構成はその次

しかし、いまなお多くの北欧神話のファンがいるというのは、やはり物語というのは細かい設定に矛盾がなければそれはそれでいいとは思いますが、圧倒的に物語の骨子となるアイデアが優先されると言うことなのだと思います。

もう一つ、この北欧神話が魅力的な要因としては、最初に書いたように神々が不完全な点だと思います。そもそも、完璧な神々であったら物語が成立しないというのもありますが、神々が戦い、協力し、裏切り、だまされるといったドラマがあるため、神といいながら感情移入できる対象となります。さながら、特殊能力を持った今時の漫画のキャラクターのような存在です。実際、北欧神話を題材にしたアメコミもあり、最近マイティ・ソーとして映画も公開されていました。

このような神話に出てくる不完全な神々というのは、神話が最初に作られた時代のちょっと前の実在の人物がモデルになっていたりするのではないかと思います。

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