第一幕の中身
引き続き三幕構成について踏み込んで行きたいと思います。
まずは第一幕の中身について。第一幕は最初のシーンから、氷の魔法が皆にバレて城を飛び出してしまったエルサ(雪の女王)をアナが追いかけるところまででしたね。
第一幕は以下の構成で作られるようです。
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オープニング
氷を切り出すシーンですね。その背後にある物語(バックストーリー)を省略して途中から始めることでより躍動的なスタートを演出できるようです。
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セットアップ
第一幕のもっとも大事な部分になるパートです。アナとエルサ(雪の女王)が、夜中にこっそり氷の魔法で遊んでいたら事故が起こります。両親がすぐにトロールの集落に連れて行き、アナを治してもらいます(ここで、オラフやクリストフも初登場)が、代わりにアナはその時の記憶を失います。その後、エルサは氷の魔法の力がどんどん強くなり、アナを近づけないようにした結果、二人の仲が引き裂かれてしまいます。両親も事故で亡くし、姉妹二人きりになります。
これらのシーンから、この話の目的(セントラルクエスチョン)や現状抱えている問題等々、観ている人が理解しておかなければならない情報がインプットされるようです。
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インサイティング・インシデント
エルサの戴冠式。物語が動き出すきっかけですね。ツカミのことだそうです。
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ファーストターニングポイント
アナがエルサのあとを追って雪山に向かうところです。セントラルクエスチョン(姉妹が本当に互いを理解しあい、幸せな生活を取り戻せるか)が再度クローズアップされ、物語は全く異なる場面(第二幕)へ移ります。
第一幕の超重要シーンはトロールたちが登場するセットアップ
こうして物語の構成を見ていると、セットアップの中でもトロールたちが出てくるシーンは非常に重要な物語の前提が描かれていました。氷の魔法が当たった所が頭だったからよかった、心(心臓)に当たるとヤバかったみたいな話(後半への伏線)や、クリストフがなぜトロールと仲良しなのか、アナとエルサの気持ちがなぜすれ違ってしまうのか等々。
アナと雪の女王はとりわけストーリー構成が秀逸なのか?と言う疑問がありますが(松たか子さんの歌と予告がよかったのでは・・・)、ストーリーは比較的覚えているので非常に理解しやすいです。