スペースワールドで見た物語性。多少強引にせざるを得なかった宇宙というテーマ。

今年閉園するスペースワールド

魚を氷漬けにしたスケートリンクを作ろうとして話題になったスペースワールドが今年閉園します。

個人的には生きた魚を氷漬けにしたらかわいそうですが、死んだ魚を氷漬けにするのは別にいいのではと思いましたが、批判殺到で中止になってしまいました。

それが原因なのかは定かではありませんが、とにかく閉園が決まってしまって、いっそ吹っ切れたのか今年のキャッチコピーは「なくなるヨ!全員集合!」と、閉園を前面に押し出したものになっています。

https://www.youtube.com/watch?v=U4tbS5W3Q0E

明るく「全員集合!」と言っている周りに立っている人たち(エキストラの方だとは思いますが、実際の従業員の方達)の雇用は大丈夫なんだろうかと、大人ならではの余計なことを考えてしまうCMですが、私のような「8時だョ!全員集合」世代には懐かしいロゴとノリです。

当初は宇宙のテーマパークだったスペースワールド

昔過ぎてあまり覚えていませんが、開園当初に友人と1回だけ遊びに行ったことがありましたが、数十年の時を経て、2回目は小学生の娘2人と3人で行ってきました。娘2人はスペースワールドのような大きなテーマパークは初めてだったので非常に楽しかったようでした。

当初は宇宙に関するものだけだった気がしますが、水中ジェットコースターのようなものや、宇宙を拡大解釈して先端技術?(後述の4Dヴィジョンのような)をテーマにしたものがあり、よく考えたらアイススケートは何の関係もないですし、今月後半から始まるプールもどこに宇宙の要素があるのかよくわかりません。普通にメリーゴーランドや飛行機が上がったり下がったりするおなじみの遊具もあり、小1の娘はそういうものの方が楽しいようでした。

それでも、メリーゴーランドなのに「それでは宇宙のたびをお楽しみください!」みたいなナレーションでスタートしたりして、何か無理やりこじつければどうとでもなるのかもしれないと思いました。

4Dヴィジョン ポップステラにシンプルな物語の構成

アトラクションの中に、4Dヴィジョン ポップステラという3D映像の20分程度の作品に、風や水を使って映像から感覚まで飛び出したように見えるものがありました。

この上映作品も、北アメリカのリスの物語という宇宙感全くなしの話でしたが、若いリスが悪い大人のリスからどんぐりを奪われ、困難を乗り越えて悪い大人のリスと対決し勝って、どんぐりを取り返すという話でした。

冬を越えるためにどんぐりを集める(第一幕・セットアップ)、悪い大人リスにどんぐりを奪われる(ファーストターニングポイント)、代わりのどんぐりを求めて危険な旅に出る(第二幕・ミッドポイント)、結局代わりのどんぐりはなく、大人リスから奪い返すことを決意する(セカンドターニングポイント)、大人リスに打ち勝ってどんぐりを取り返す(第三幕・クライマックスからエンディング)というシンプルな三幕構成で、普通はこれを骨子にサブプロットがあったり、物語にもう少しいろいろな描写を入れるのでしょうが、このアトラクションの目的は4Dの部分のため、そこまで凝ってはいませんでした。

宇宙というテーマだけでは飽きずに何度も客を呼ぶのは難しい

テーマパークは、リピーターが多くならないと存続は難しいのだと思いますが、やはり宇宙というだけで色々なアトラクションを作るのは限界があると思いました。

そんな中、北九州と言う九州の中でもさらに中心地から若干離れた場所で、安い人件費で働いてくれる人(時給800円~、交通費は1,500円まで支給という厳しい経営状況を感じさせる従業員募集のポスターが貼ってありました)を探し、それなりに客を集めて25年以上続けてきたスペースワールドはなかなかがんばった方だったのではないかと思います。

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