知的財産の研修を受けて感じた3つのこと

知的財産という小難しそうなテーマ

知的財産と聞くと、特許や商標といった難しい手続きを経て高額の登録料を払って手にするとっつきにくいものという印象ですが、今回この知的財産についてわかりやすい研修を受けて色々と思うところがありました。

知的財産というのは、一言で言うとアイデアです。このアイデアを、法的に守り、他者に侵害されないようにしたり、アピールできるようにするのが特許権であったり商標権であったりします。

なので、独自のノウハウのようなものも知的財産の範疇に入ります。いわゆる法的な知的財産の話と、一般的な知的財産の話がごっちゃになってしまう事で、知的財産という言葉に対して混乱が生まれています。

①知的財産を特許や商標として登録する意義

特許や商標は、他者に自分が発明したアイデアを奪われないようにするために登録するというのがまず頭に浮かんできます。ただそれだけではなく、自社にどのような独自の技術・アイデアがあるのか、どの部分が他にはないのか、そういったことを明確にするためという目的もあるようです。

そうやって明確にすることによって、自社の開発アイデアが浮かんできたり、重複するアイデアを整理したり、特許を売りに営業がアピールできたりという効果も期待できます。

②特許は本質を考える重要な機会

特許の話で鉛筆の例えが出てきて、最初は断面が丸い鉛筆があって、次に断面が六角形の鉛筆が発明されました。これによって、転がりにくくなり、机から落ちにくくなったため六角形の鉛筆が非常に売れました。

このとき、「断面が六角形の鉛筆」という特許で登録してしまうと、断面が五角形や八角形の鉛筆が出てきてしまいます。「断面が多角形の鉛筆」という特許にすればそういった鉛筆も特許の範疇に入りますが、Uの字型のような鉛筆は特許の範囲外になってしまい、他社に作られても文句は言えません。「断面の少なくとも一面が直線の鉛筆」という特許にする事で、この発明の本質である「転がらない」という特徴を網羅的に表現できます。

このように、特許を取るにあたっては、その本来の機能を他社に真似されないように、そもそもこの発明の本質とはと、問う必要があります。安易に特許をとっても容易に回避されて類似品を作られてしまいます。

③個人についても応用できる考え方

この話を聞いて、個人レベルでも自分の強みは何か、他者にはないアイデアは何かといったことを考え、自分のアイデンティティを整理し、見える化するという話につながると思いました。

特許は公開されており、他の特許を侵害していないかきちんと専門家である弁理士が調査し登録することになりますが、個人もそこまで厳密にできなくとも、自分の強みを見える化し、伸ばすところを明確にし差別化を図る事で強い人材になることができるのではないかと思いました。

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