物語の中の子供の役割
物語の登場人物として描かれる子供には、不思議な力を持っているケースがしばしばあります。
古くはサイボーグ009のイワン・ウイスキー(サイボーグ001)が有名ですが、彼は改造されたがゆえに天才になり、サイボーグたちのブレーンとして活躍していました。
一般的には、子供に与えられる属性は、「無邪気・無垢」「素直・正直」「大人には感じ取れないものを感じ取る」と言ったものです。
どれも、いわゆる大人から見たいい子像から派生している印象で、実際の子供もそのような側面があります。一方で子供は負の側面として、「わがまま・利己的」「残酷」「飽きっぽい」と言った側面があり、子供の悪役の場合こういった側面が強調される傾向にあります。
ここで想定している「子供」は小学校低学年ぐらいまでのまだ自分を客観的に見ることが難しい年齢の子供のことです。
どこからが大人でどこからが子供か
物語の中では、その子供がどのような子供なのかは作者の自由に設定することができますが、現実には子供と大人の境目は非常に曖昧です。
自分は子供だったことがあり今は大人ですが、他人が自分と同じように思考し、感じている存在だと実感として理解できたのは小学校4年生ぐらいだったと思います。
それまでは、いくら人の気持ちを考えろだの、相手の立場に立ってだの言われても、それがどういうことなのかわかっていませんでした。
このわかる時期は人によって異なり、下手をすると死ぬまでわからないまま死んでいく人もいるのではないかと思います。かと思えば、もしかしたら生まれてすぐに理解している人もいるかもしれません。
こんな感じで子供は成長するにつれて大人に近づくイメージですが、すでに小さな大人である可能性もあり、子供のキャラ設定はあまり固定観念に囚われずに行うことができます。
かといって、「こんな子供いないだろう」と受け手に思われると、それだけで物語のリアリティが一気に失われ、興味を失ってしまう要因になってしまうため注意が必要です。
そういう意味で、天使のような子供は物語に登場すると鉄板で心が温まる非常に強力なキャラクターですが、天使過ぎるとリアリティが失われるので使いどころが難しいところです。