しくじり先生でのむらしんぼ先生に江口達也先生が伝えたこととは?面白い物語の共通点

かつてのコロコロコミックの人気漫画「つるピカはげ丸君」

つるピカはげ丸君。昔読んでましたねー。

うちは何故か親がコロコロコミックとコミックボンボンをどこかから買ってきてくれてたので両方読んでいる時期がありました。おぼっちゃまくん程のインパクトはなかったものの、連載していたことを今でも覚えているので人気はあった方だと思います。

その作者ののむらしんぼ先生がしくじり先生に出ていた時に普段見ないテレビをたまたま見ていて、そのときの江口達也先生のアドバイスが非常に印象に残っています。

江口達也先生がアドバイスした面白い漫画の描き方

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【Mindjet】アイデアを整理するにはやっぱりマインドマップ?おすすめのマインドマップツールを紹介

今日はテレビを壁掛けにするために四苦八苦していたらこんな時間に。

アイデアをまとめるツール「マインドマップ」

小説のアイデアに限らず、アイデアをまとめるツールとして一時期大流行したマインドマップ。今でもちょこちょこ見かけます。私も、流行っていた当時はいくつか本を買って読んでみましたし、公式のソフトも購入しました。

公式のソフトはだいぶ前に買ったんですが、確かに使い勝手がよく、マインドマップ発案者のトニーブザンさん公認というだけあって、正式なマインドマップの書き方にかなり忠実に作ってあります。 “【Mindjet】アイデアを整理するにはやっぱりマインドマップ?おすすめのマインドマップツールを紹介” の続きを読む

七つの大罪にみる読者を惹きつける仕掛けの数々!

人を惹きつけるポイントが満載の漫画「七つの大罪」

最近、アニメ版七つの大罪を見ました。

最初本屋などで漫画の表紙を見かけたとき、正直そんなに惹かれませんでした。「ドラゴンボールっぽいマンガかな?」ぐらいの印象でした。

ところがアニメを見て、普通とのギャップやグループの要素がわかりやすく盛り込まれていて、すぐに惹き込まれました。

まず、主人公率いる7人の騎士団で七つの大罪。これは、7という数字が入ったグループ(四天王とか黄道十二宮とかと同じイメージ)であり、少しずつ登場してきて、次はどんな騎士が現れるのかわくわくします。現れる騎士もぜんぜん騎士らしくない人ばかりというギャップ。そして主役なのになぜかネガティブなイメージの七つの大罪というネーミングのギャップ。めちゃくちゃ強いのに少年の姿というギャップ。主役なのに普通の物語では悪役側の魔神族というギャップ。

魔神族・女神族・巨人族・妖精族・ホムンクルスといったファンタジーでよく出てくるグループ。女神族は普通の物語だと正義の味方っぽいのに悪い感じがする等々。

ギャップの要素とグループの要素が次から次に出てきます。

また、伏線の張り方もわざとらしくなく、あとできれいに回収していて、構成についても非常によくできていると思いました。私が考える、人がどうしても惹かれてしまう要素を全力で盛り込んだ作品だと思います。

構成も秀逸。少年漫画らしくあまり人が死なない所がややマイナス

強いていうなら、人が全然死なない(死んだと思わせてなんだかんだ生きていたり、一応死んでるんだけど普通に登場したり)のが若干リアリティを失わせていますが、これは現役最強の少年漫画(と勝手に思っている)ワンピースでもそうですし、おそらく少年を対象としている漫画でのお約束なんだろうと思います。

その割には同じ少年マガジンの中にもやたら人が死んだりするマンガもありますが。

昔からある言葉を違ったイメージで使う

七つの大罪や十戒といった言葉は聖書に出てくる昔からよく知られている言葉なんですが、そこから全く違うイメージを膨らませて、ストーリーを作り上げていくという手法。言葉の元のイメージにとらわれず、響きのかっこよさのようなものから連想していく発想力は物語を作るうえで参考になります。

人が惹き込まれるポイントその2、古くは日本神話、仏教、最近だとワンピース、テラフォーマーズ

面白いと感じる物語に共通するもう一つの要素

前回の記事では、ズレについて書きました。ズレは物語を面白いものにするうえで最も重要な要素だと思っています。

もう一つ、面白い話によく出てくると感じている要素があります。 “人が惹き込まれるポイントその2、古くは日本神話、仏教、最近だとワンピース、テラフォーマーズ” の続きを読む

人が惹きこまれるポイントは差、ズレ、意外性、孫子の兵法の奇正について

人が面白いとか、惹かれるとか、気になるとか、とにかく感情を動かされる時には自分が考えている何かと、そこで見たり聞いたりしているものの間に何らかのズレが生じていると思っています。

孫子の勢編という箇所に、奇と正の話が出てきます。私が持っている、浅野祐一先生の孫子 (講談社学術文庫)に書いてあった、奇と正の説明がとても印象に残っており、いつまでも忘れないので今回の題材にしました。
孫子は、戦う上では正法をもって敵と対峙し、奇法をもって勝つとしています。
奇は奇襲や奇策、正は正攻法というイメージがありますが、私の持っている孫子では、正が普通の状態で、奇は普通じゃない状態という解釈です。
いま、24時間営業が見直され始めていますが、かつてどんな店でも夜寝る時間には閉まっていると言うのが普通の状態(正の状態)でした。そこに、24時間いつでも店が開いているという普通じゃない状態(奇の状態)が生まれます。
当初、24時間店舗が開いているのは珍しく、深夜に活動している層を捉えることによって24時間開けていない店に対して優位性を持っていました。
ところが、いまや24時間営業はコンビニやファミレスでは当たり前の状態になっています(奇から正に移行)。この結果、無理して24時間開けても採算が取れず、24時間開けないことが有効になってきています(かつての正が奇となっている状態)。
物語についても同じ事が言えると思います。最近で行くと、転生してファンタジーの世界に入り込んでしまった系のライトノベルがたくさん出版されています。
無職転生 - 異世界行ったら本気だす -や、転生したらスライムだった件、Re:ゼロから始める異世界生活などなど。
これらは、従来のファンタジー小説の在り方がファンタジーの世界でありながらリアルさを求めるのが正であったのに対して、ファンタジーテイストのオンラインRPGの世界をそのまま小説にしてしまっており、ゲームのプレイ日記のような内容になっています。ゲームのプレイ日記をそのまま小説にしたら面白かったという奇の状態です。
それもやがて、多くの類似作品が出るにつれて読者が飽きはじめると思います(奇が正へ転じる)。そうなった時には硬派なファンタジー小説が今度は新たな奇として現れ、正と奇が逆転した状態になるのではないでしょうか。
孫子は、このことを「凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ。故に善く奇を出だす者は、窮まり無きこと天地の如く、竭きざること江河の如し。」と表現しています。
差やズレという奇の状態は生まれた瞬間から当たり前という正の状態に向かって動き始めるので、物語の流れも、導入部分でまず奇の状態を作り出し、奇が正に転じる頃を見計らって別の奇を生み出すような内容であれば読者が飽きずに読んでくれるのではないかと思います。