アイデアを作る5ステップ。アイデアを思いつくのは才能?それとも技術?

アイデアの作り方5つのステップ

家にある本を見ていたら、昔買った「アイデアの作り方」と言う本を見つけました。小さくて薄っぺらい本ですが、アイデアについての本としてはかなり有名なもののようです。本来は広告のアイデアを出すための本のようですが、アイデアの発想全般に共通して言えることが書いてあります。

この本ではアイデアの発想法とも言うべき5つのステップが紹介されています。

①資料の収集

まず、最初のステップは資料の収集。収集する資料には、そのテーマについての資料である特殊資料といわゆる雑学のようなテーマとは関係ない一般資料とがあり、その組み合わせから新しいアイデアが生まれるとのことです。

資料の収集とは資料を頭に入れるところまでです。本を買ったり、ネットで検索したファイルを保存したりすることを収集と考えがちですが、集めた内容を頭に入れておかなければ次のステップに進めません。

②思いついたことをメモ

2番目のステップは集めた資料を読み込んだ結果浮かんでくるアイデアをどんなものであれ書きとめるステップです。とにかくインプットした情報をひたすらアウトプットする作業です。ただ、この段階ではアイデアは支離滅裂だったり不完全だったり、たいしたことなかったりといったもののようです。このとき、心理的にもかなり追い詰められたような、絶望的な気分になることも多々あるようです。

③一旦忘れて別のことを考える

3番目のステップはこのテーマについて全て忘れて別のことを考えるステップです。これはおそらく情報を無意識の力を使って整理して組み合わせるような過程だと思います。

④ふと思いつく

4番目のステップでは、3番目のステップの最中に無意識に醸成されたアイデアのもとが意識下に顕在化するステップです。それはふとした何気ない瞬間に起こるようです。寝る直前とか、歯を磨いているときとか。

3番目と4番目はステップとしては存在していますが、ひたすら待っているだけなので、何かやらないといけないわけではないようです。

⑤実現可能なアイデアに修正する

そして5番目、最後のステップではその生まれたばかりのアイデアを現実に適応させるために様々な手を加えていくステップです。

確かに「これはいいアイデアだ!」と思ったとしても、いざ現実に実行しようとすると様々な障害があり、思ったほどではなかったと言うのはよくある話です。が、筆者はそこであきらめるなと言っています。理解ある人々に批判してもらえと。そのアイデアが本当にいいアイデアであれば人々の興味を惹き、手を貸してくれた結果アイデア自体が成長を始めるとのことです。

こうしてみると、5つのステップと言いつつ3と4はほとんど何もしていないため、資料を集めてひたすら頭を悩ませたらあとはいいアイデアが浮かぶのを待って浮かんだらがんばって現実に使える形にするということのようです。

アイデアは既存の情報の組み合わせとか、無意識の力で願いをかなえる(願い:いいアイデアを思いつく)とか、今まで触れてきた話にも共通することが多々ある気がしました。

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二つの単語をランダムに組み合わせる。ひらめきヒーロー!でアイデアを考える。

八甲田山雪中行軍遭難事件。事実は小説よりも奇なり(ルートマップ有)

実話を装うことで物語のリアリティを出す

もともと、小説と言うのは実話と勘違いさせるような演出をすることによってリアリティを出していたそうです。

例えば老人が昔話を始める所から始まるなど、最初に現在の表現があり、過去に実際に起こったかのように物語が始まり、最後に現在に戻って終わるような表現です。

実話の力でわざとらしさが無視される「八甲田山雪中行軍遭難事件」

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黒子のバスケの2つの惹き込まれるポイント。ギャップのアイデアとスポーツマンガのお手本のような展開

漫画を無料で読める時代

最近LINEマンガというアプリを知ったんですが、これすごいですね。無料キャンペーンで人気マンガが何巻か読めます。

続きをどうしても読みたいという気分にさせて買ってもらおうというマーケティングの手法だと思いますが、それにしてもかなりのボリュームが無料です。

黒子のバスケの展開は典型的なスポーツ物

今回は黒子のバスケが4巻まで無料で読めました。スポーツ物のマンガというのは強化→対戦→強化→対戦のようなステップがあり、常に強い相手と戦い勝つ(たまに負けてより成長する)という共通の流れがあります。スポーツ物に限らず戦いが中心のマンガは全部そんな感じですね。

①主人公の影が薄いというギャップ

黒子のバスケはマンガの内容というよりファンの事件があったことでかなり記憶に残っていたんですが、「主人公の影が薄い」というギャップを利用したアイデアがかなり特徴的だと思いました。

主人公はその役割上どうしても目立つ必要があります。このマンガは、その目立つ役割を準主役のキャラに代わりにやってもらい、「主人公に必要なのは目立つかどうかではなく個性的かどうか」と視点を変えることにより、影が薄いという通常の主人公にはない個性を利用して障害を乗り越えています。

②特徴的な5人のライバル

また、キセキの世代という5人のグループが敵として現れており、それぞれに色にまつわる名前が付いています。4巻だと、その2人目との対戦が終わる直前まででしたが、今後も3人目、4人目と現れて、途中普通の高校もはさみながら対戦が続くと思われます。

こんな感じで今後の展開はなんとなく読めますが、どんな特徴の敵が現れるのか(1人目は相手の技をコピーできる、2人目は超長距離シュートを打てるという特徴がありました)、主役と準主役の二人はどんな風に成長し、どんな技を見に付けていくのか、他のチームメンバーは?など妄想が掻き立てられる要素があるため続きが読みたくなります。

それにしても、こんなに無料・低価格で色々読めてしまうと、出版業界にますますお金が流れていかなくなるのではないかと心配になります。

二つの単語をランダムに組み合わせる。ひらめきヒーロー!でアイデアを考える。

二つの単語を組み合わせるアイデア発想法

かつて、ソフトバンクの孫正義さんは二つの単語をランダムに組み合わせてアイデア出しをしていたそうです。自分の中にはない発想を導き出すためには、そういったランダム要素というのは大事だと思います。

というわけで、二つの単語をランダムに組み合わせるツールみたいなものはないかなと思って探してみたら、ひらめきヒーロー!というサイトを見つけました。適当にファンタジーっぽい単語を50個登録してやってみました。 “二つの単語をランダムに組み合わせる。ひらめきヒーロー!でアイデアを考える。” の続きを読む

Inkarnateでファンタジーの世界地図を作ってアイデアを考える。

制約があったほうが発想が生まれやすい

全く白紙の状態より、何か制約があったほうが逆に思いつくというのはよくある話で、「何か面白い話して」と急に言われても困るのに対して、「一番最近見た面白い映画(小説・漫画)の話をして」と言われれば、まだ話しやすいと思います。この時、面白い話の種類が限定されたことで、話せる可能性がある面白い話の数は減ったはずなのに思いつきやすくなります。

小説のアイデアについて、ただ漠然と何かないかなと考えるというのも悪くはないと思いますが、初めにその世界を絵にしてみて、その世界で起こることを想像してみるというのも一つの方法だと思います。

ファンタジー世界のマップを作れるサイトInkarnate

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アジャイル開発、マシュマロチャレンジ、案ずるより産むが易し、とにかく経験値が重要という話し

経験は誰にでも蓄積できる

小説に限らない話ですが、才能がいくらあっても経験を重ねないと本当にすごいものはできません。才能は生まれ持ったものですが、経験は時間をかければ誰でも蓄積していくことができます。

トライアンドエラーの威力、アジャイル開発、マシュマロチャレンジ

アジャイル開発というシステム開発手法は何度も試作検証を繰り返し、システムを開発していく手法です。一般的なシステム開発は計画→設計→プログラミング→テストを順を追ってやっていき、前のステップに戻るのを極力避けます。しかしアジャイル開発は部分的に上記のサイクルをとりあえずやって、少しずつ範囲を広げて何度も計画からテストまでを繰り返します。

マシュマロチャレンジというのは、実話か不明ですが、経営者グループと弁護士グループと幼稚園児グループでマシュマロとパスタとテープ等を使っていかにマシュマロを高い位置で安定させられるかというゲームをやったときに、幼稚園児グループが勝つという話です。

なぜ幼稚園児グループが勝つのか、経営者グループも弁護士グループもまずは頭の中だけで検証し、1回で一番高い位置にマシュマロを安定させられる方法に挑戦しようとします。ところが、幼稚園児にはそんな頭はありませんので、いきなり試行錯誤を始め、何度も失敗を繰り返しながら徐々に高い位置にマシュマロを安定させていくそうです。結果的に、とにかくチャレンジを繰り返す幼稚園児のほうがより高い位置にマシュマロを置けるという話です。

全ては案ずるより産むが易し

要は案ずるより産むが易し、小説に関しても、あんまり色々考えずにとりあえず書いてみることが重要かなと思います。いきなり数百ページの物語を書き出そうとすると途中で挫折してしまいそうですが、アイデアとか構成とか表現とかはとりあえず書いてみてちょっとづつ見直すというアジャイル開発のようなやり方でやったほうが結果的にいいような気がします。

ちなみに、こうして毎日800字以上の文章を書いているのも訓練の一つだと思っています。

小説家になるには?賞に応募?ネットで公開?

小説家になる方法

このブログでは物語の書き方を中心にまとめていこうと思っていますが、今回はちょっと違った視点で小説家になるにはどうすればいいの?という点について考えていきたいと思います。

小説家とは、自分が書いた小説が何らかの形で世に出ており、お金を払って読んでくれる人がいることとします。

また、そうなるためには少なくとも、この人は小説家だと一般の人(その小説家と面識がない人)に認知されている必要もあります。

賞に応募して小説家になる

昔からある方法としては、賞に応募して入賞してしまうことだと思います。

今回この記事を書くために調べて初めて知ったのですが、直木賞とか芥川賞ってそういう公募があるわけではなく、すでに出版された小説の中から勝手に選ばれるんですね。

つまり、直木賞作家とか芥川賞作家とか言われる人たちは、その前からすでに作家(小説家)じゃないとなれないみたいです。

小説家になりたいという願望を食い物にする人たち

どんな賞の公募があるかは調べればたくさん出てくるので他のサイトに譲るとして、賞に応募してというと、百田尚樹先生の「夢を売る男」という小説を思い出します。

(ここから物語のネタバレです)とある出版社が賞を主催して、小説を集め、落選した人に「非常に惜しかった」と電話をかけ、自費で出版なら可能と話を持ちかけます。

その費用には出版社の利益も上乗せされており、出版社は全く出費せずに本を出版するとともに、出版した時点ですでに利益を得ているというからくりです。小説は売れても売れなくても関係なし。

これ、私なんか確実に引っかかりそうだと思いながら読んでいました。

単に小説家というステータスを得たいのであれば金で買えるという話で、自費で出版する人も傍から見るとだまされているわけですが、本人は幸せなわけです。費用はバカ高いですが、自分の本が店頭に並ぶのは本当なので。

ちなみに主人公は人でなしなんですが、だまして出版させる本はきちんと読み込んでいて、お金を払ってくれるお客様に対して接するプロ意識みたいなものもあるのが面白かったです。

小説投稿サイトで有名になる

最近では「小説家になろう」に代表される自由に小説を公開できるサイトもあり、そこでランキング上位になれば小説や漫画として出版されたりするので、面白い小説さえかければ、昔よりもチャンスは増えているような気がします。

小説を読んで知識を得る。ザ・ゴール、もしドラ、小説の新しいジャンルについて

小説とは目的が異なる小説「ザ・ゴール」

エリヤフ・ゴールドラットさんが書いた「ザ・ゴール」というビジネス小説があります。発刊当時はかなり話題になりました。

私は、この小説を読んで目から鱗が落ちました。衝撃でした。ザ・ゴールには続編があり、登場人物が全く変わるシリーズがいくつかありますが、全て購入して読んでいます。

どれも惹き込まれる面白さがありますが、ザ・ゴールシリーズはそもそも面白い小説として売ろうという意図とはまた別の意図があります。

制約理論という「すべてのシステム(何かを行うときにやる一連の作業の集まり)には制約が存在し、制約がそのシステムのパフォーマンスを決定している」という前提に基づいた経営管理の手法を、読んでいる人に理解させようという意図です。

「もしドラ」もザ・ゴールと同じ類型

似たような小説として、ちょっと前に流行った「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(通称もしドラ)という本もありましたが、これも面白い小説として売るというのとはまた別の意図として、ドラッカーのマネジメントを、もしドラを読んでいる人に理解させようという意図があります。

このような小説は一般的な小説とは違う気がしますが、個人的にはむしろこのような小説が増えていくのは好ましいことなんじゃないかと思っています。まんがでわかるシリーズのような、説明のほうが比重が大きいものよりも、小説として面白く、かつ結果的に概要がわかるようなものが理想です。

ザ・ゴールに心酔した私は、あらゆる制約理論の本を見つけては買って読んでみましたが、小説形式のザ・ゴールに勝る本はありませんでした。もしドラは読みませんでしたが、この本がきっかけで改めて流行りだしたドラッカーのマネジメントは読んでみました。

制約理論のギャップは物語としても魅力的

ザ・ゴールもやはりギャップの面白さで、制約理論の世界では、例えば工場で物を作るときに、全ての機械が100%フル稼働していて、作業員も休みなく働いているとすると、その工場は非常に効率が悪いということになります。

常識ではそういう工場こそ理想だし、どの経営者も社員を遊ばせずにフル稼働している状態を目指してがんばっていると思いますが、実はそれは非常に危険だというのがこの話の面白いところです。その理由についても非常に説得力があり、私はハマりましたが、そこまで共感している同僚はおらず、改めて常識と真逆の考え方を受け入れるというのは非常に難しいことなんだと痛感した覚えがあります。

一方で、小説だとこのような常識はずれの話は物語として受け入れられやすく、その意味でも小説形式をとることで違和感なく読者が読めるのだと思います。

【関連記事】

小説としてのザ・ゴール

ビジネス小説ザ・ゴールを分析してみる。

ザ・ゴール第一章を分析。事件の発生から解決の僅かな希望まで

ザ・ゴール第二章を分析。問題解決の鍵となる人物ジョナの登場

ザ・ゴール第三章を分析。問題の共有とジョナとの対話、家族の亀裂

制約理論の紹介

ザ・ゴールの制約理論とは?効率、全体最適、最小の労力で最大の効果を挙げるための方法

マネジメントとは制約リソースを防衛すること。

銀河英雄伝説にみるサブプロットとは?ストーリーに深みを与えるもう一つの三幕構成

もう一つの三幕構成「サブプロット」

三幕構成について一通り触れてきましたが、今まで触れてきていなかった話にサブプロットというのがあります。

メインプロットとされる話と平行して進むストーリーラインのことで、サブプロットも三幕構成で作られるようです。

メインプロットと見紛うサブプロットがある「銀河英雄伝説」

映画ではないですが、私が秀逸なサブプロットが含まれていると思う作品は銀河英雄伝説です。銀河英雄伝説は、メインプロットがラインハルトの物語ですが、ほとんどメインプロットと見紛うほどの重さとボリュームを持つサブプロットとしてヤン・ウェンリーの物語があります。

そしてこのサブプロットはメインプロットに多大な影響を与え、渾然一体となって物語を作り上げています。「銀河英雄伝説」というタイトルなんだから、ヤン・ウェンリーの物語もメインプロットでダブルメインプロットの小説なんじゃないかという話もありますし、この構成の考え方は必ずこれというものがあるわけでもないので、作者の田中芳樹先生はダブルメインプロットのように考えているかもしれません。

ただ、メインはあくまで一つと考えたときに、どちらがメインかといえば間違いなくラインハルトの方になります。なぜならヤン・ウェンリーは物語の途中から登場します。サブプロットはメインプロットと勘違いされないように、メインプロットが始まってからしばらくして始まるというのがセオリーです。また、ネタバレですが、ヤン・ウェンリーは善戦むなしく途中で殺されてしまいます。

主人公のような敵役ヤンウェンリー

私はラインハルトよりヤン・ウェンリーのほうが好きですが、こんな風に、この話を読んだ人の間で人気を二分するほどの存在感を放ち、腐敗した民主制の中で、数々の制約を受けつつ最善を尽くす名将が圧倒的な才能を遺憾なく発揮できる独裁君主のラインハルトを押さえ込もうとするという構図は物語を非常に面白くしています。

結局、ヤン・ウェンリーは最後までラインハルトに正面から敗北することはなく、ラインハルトをあと一歩のところまで追い詰めたあと、暗殺のような形で殺されました。敵役でありながら、主人公よりも主人公らしい逆境にさらされ最後に死んでしまうのは、この物語が今でも漫画化やゲーム化される一つの要因となっているのではないでしょうか。

 

しくじり先生でのむらしんぼ先生に江口達也先生が伝えたこととは?面白い物語の共通点

かつてのコロコロコミックの人気漫画「つるピカはげ丸君」

つるピカはげ丸君。昔読んでましたねー。

うちは何故か親がコロコロコミックとコミックボンボンをどこかから買ってきてくれてたので両方読んでいる時期がありました。おぼっちゃまくん程のインパクトはなかったものの、連載していたことを今でも覚えているので人気はあった方だと思います。

その作者ののむらしんぼ先生がしくじり先生に出ていた時に普段見ないテレビをたまたま見ていて、そのときの江口達也先生のアドバイスが非常に印象に残っています。

江口達也先生がアドバイスした面白い漫画の描き方

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