ザ・ゴール、ドラゴン桜、別の目的を持つ物語

物語の面白さだけが目的ではない物語

私が傾倒しているザ・ゴールの制約理論は、ザ・ゴールと言う小説によって学びました。小説というのは本来はその物語がいかに魅力的で面白いかというのが唯一の目的になりますが、このように知識やノウハウを伝えるために物語の面白さを利用すると言うパターンも希にあります。 “ザ・ゴール、ドラゴン桜、別の目的を持つ物語” の続きを読む

ストーリーとしての競争戦略。経営戦略の物語化

すばらしい経営戦略は物語になっている

私も一応ビジネスマンに分類されるので、ビジネス書の類は比較的読むほうだと思います。物語を考える上では小説や漫画を読んだほうが直接的な勉強になると思いますが、ザ・ゴールのようにビジネス書の中にも物語と関係があるものがあったりします。ストーリーとしての競争戦略もそんなビジネス書の一つです。 “ストーリーとしての競争戦略。経営戦略の物語化” の続きを読む

思考プロセス。5つのツールと最大の留意点

因果の鎖を紐解く手法「思考プロセス」

ザ・ゴールで語られることは読んでみれば非常に当たり前に思えることばかりです。ザ・ゴール2に出てくる思考プロセスについても同様です。

作者は鎖にまつわる話が好きなようで、ザ・ゴールの制約理論のもっとも弱い鎖の輪の例えもそうですが、思考プロセスもあたかも因果のもっとも弱い鎖の輪を探そうとするかのような手法です。 “思考プロセス。5つのツールと最大の留意点” の続きを読む

働かないアリがいないと巣が滅ぶ?働かないことが必要な2つの要因

2割のアリはサボっているという話

アリの2割はサボっているというのは結構有名な話で、そのサボっている2割のアリを取り除くと、残りの中から2割がサボりだすそうです。

サボるというのはどうしてもネガティブな表現で、この話の文脈では「いかにそのサボる割合を減らすか」といった話になりがちです。

働かないアリに意義がある

以前買ったビジネス書に、働かないアリに意義があるという本があり、非常に興味深かったので紹介します。 “働かないアリがいないと巣が滅ぶ?働かないことが必要な2つの要因” の続きを読む

ザ・ゴール第八章を分析。制約理論の5ステップ。セントラル・クエスチョンの先へ

ついに最終章。ザ・ゴール第八章は第三幕

ザ・ゴール第八章は、メインプロットのセントラル・クエスチョンである「主人公は工場を救えるか?」とサブプロットのセントラル・クエスチョンである「主人公は幸せな家庭を取り戻せるか?」を解決した後の話しになります。

セントラル・クエスチョンが解決してめでたしめでたしで終わらず、実は本当に解決しないといけない問題は別にあったという展開は物語にはよくあります。

ザ・ゴールは実に30年ぐらい前にアメリカで出版された物語ですが、その頃からこういった展開が普通に存在していたんですね。

惰性により工場は再度危機的状況に

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ザ・ゴール第七章を分析。第二幕の最終局面。工場は救われるが真の解決はまだ先。

物語は最終局面に向かうが未だ真の解決に至らず

ザ・ゴール第七章では、ついにライバルのヒルトンとの対決に向けて準備が整い、従来の常識に囚われた世界と対決し勝利する章になります。

三幕構成でいうセカンドターニングポイントは他の工場では成し得なかった成功を収めた後にもかかわらず、工場の成績を存続の判断を行うライバルのヒルトンに全否定され、工場が再び存続の危機に立たされるかもしれないという部分です。

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ザ・ゴール第六章を分析。DBRという最強の武器。全ては制約リソースの支配下に。

最終決戦に向けて最強の武器を手に入れる

ザ・ゴール第六章は三幕構成で言うと、第二幕の後半のピンチ(ミッドポイントとセカンドターニングポイントをつなぐエピソード)になります。短い章ですが最終決戦でハッピーエンドを向かえるための重要な武器、DBR(ドラム・バッファ・ロープ)に気付く章です。

制約リソースの徹底活用によって工場の生産性は高まり、このまま工場を救えるのかと思いきや、新たな障害が立ちはだかります。工場の全てのリソースがフル稼働している結果、不要な在庫が積みあがり工場が再度混乱し始めます。

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ザ・ゴール第五章を分析。第二幕の幕開け、改善する生産性と夫婦仲

ついに工場の生産性が改善し始める第五章

ザ・ゴール第五章では、当初の目的だった工場の問題が解決に向かい始めます。ハイキングで一番歩くのが遅かったハービーに当たる工場の機械が特定され、その機械を休ませないことが工場全体の生産性を決定するということがわかってきます。

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ザ・ゴール第四章を分析。生産工程をハイキングに例えるファーストターニングポイント

物語のファースト・ターニングポイント

ザ・ゴールの第四章は、週末に息子のボーイスカウトの引率をさせられるところから始まります。一見何の関係もないハイキングですが、この物語の核心である制約理論を概念的に学ぶのにハイキングの例えが非常にわかりやすいため、多少強引な展開ですが主人公は唯一の大人としてハイキングの指揮を執ることになります。

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